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あ す な ろ ト ー ク 集
49.自分以外の誰かの役に立つ
 濃紺のリクルート姿を見かける。一足先に職場で研修を積んでいるのだろうか。なんとも初々しい。今日から4月。県内でも多くの企業で入社式があり、新しい仲間を迎えている。「一日でも早く戦力になって活躍してほしい」と先輩諸氏は期待しているに違いない。
 だが、手放しで喜べない現実もある。厚労省によると、3人に1人が3年以内に辞めるという状態が続いている。数年前に使われた「第二新卒」という言葉を思い出す。前の会社を辞めて3年以内なら、「新卒」扱いで採用するという会社側の苦肉の策だ。
 「職業観の違い」と簡単に片付けてよいものなのか。そこに新入社員の甘えはないのか。伊集院静さんの「贈る言葉」(集英社)には「働く君」への熱いメッセージが詰まっている。例えばこんな具合だ。「出発の君は0(ゼロ)だ。すぐに1に、2になる必要はない。本物の仕事はそんな簡単なものじゃない。すぐに役立つものはすぐに役立たなくなる」
 新生活のスタート。伊集院さんはこんなメッセージも送っている。「仕事の喜びとは何か。自分以外の誰かの役に立っていることがわかることだ。それこそが仕事の真の価値なのだ」
平成25年4月1日 大分合同新聞 東西南北
【コメント】
我らの感覚からすれば、甘っちょろいといいたくなるが、これが現実だろう。
いま自分がSNOでやっているのは「人の役に立つ」、その思いと一致する。