あ す な ろ ト ー ク 集 |
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43.顛倒予防 |
「コケるのは ギャグだけにして お父さん」。今年の転倒予防川柳に輝いた兵庫県の奥田明美さんの作品だ。この川柳は、私が世話人を務める転倒予防医学研究会が昨年から始めた事業で、高齢者の転倒予防の普及、啓発のために、歯切れよく、覚えやすく、伝えやすい5・7・5調の言葉に集約される予防の極意を集めて広めようという取り組みだ。 「ばあさんや 用心に手を つなごうか」(神奈川県福島敏明さん)や「杖持とう 説得までに 骨が折れ」(兵庫県あまの雀)などの傑作は、ウィットとひねりが効いて面白い。 10月10日を「転倒予防の日」と命名し、7日に研究集会が開かれ、近しいご縁で真言宗豊山派大本山護国寺の貫首、岡本永司に「心の転倒予防」という特別講演をしていただいた。 仏教の経典「般若心経」に「顛倒」という言葉が記されており、心が転倒する4カ条として「常、楽、我、浄」がある。いつまでも続くと願う心、苦しみや不都合を嫌がる心、我を通さんとする心、自分は善であり、正しく、非難されることはないとする心をいう。こうした心のつまずきや転倒を予防するために知恵を働かせる心を磨くことが大切という趣旨のお話をしていただいた。 「つまずきは 老化をしらせる SOS」大阪府の吉川恭子さんの句だ。 |
平成24年10月23日 大分合同新聞 |
【コメント】 言葉として理解はできるが、自己実践となると難しいな。特に「浄」がね。 |