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あ す な ろ ト ー ク 集
38.子供を叱る
 「叱る」と「怒る」- 日々の子育てにおいて、最近意識することが多い言葉だ。意味の違いを分かっているつもりでも、ついつい混同して使ってしまいがちではないだろうか。例えば「怒られる前に、早く宿題をしなさい」「この前怒られたのに、まだ片付いていないの?」といった具合に。
 試に辞書を引くと「叱る=いましめる」「怒る=腹を立てる」とある。つまり「子どもを叱る」とは「子どもを教えさとす」ことであり、そこには正しい行いを教えようとする親の思いやりが一方、「子どもを怒る」とは思い通りにならない子どもに腹をたてているだけで、そこにあるのは単なるいら立ちにすぎない。
 これは言葉だけの問題ではないだろう。宿題を始めない子どもに対し、「早くしなさい!」と言う時、果たして自分は叱っているのか、怒っているのか・・。散らかっている勉強机を目にして、「ちゃんと片付けなさい」と言う時、自分の心を占めているものが思いやりか、いら立ちか・・。
 偉そうなことを言っている私自身、思いやり以上のいら立ちを感じていることがよくあると思う。そしてそのたびに反省するのだ。「パパはいつも怒ってばかりだね」・・そう子どもたちから叱られないようにしなきゃと。
平成22年1月25日 大分合同新聞 デスク日誌
【コメント】
この種の話はこれまでにも何度か書き留めてきたが、叱るを実践するのは難しい。この「叱る」が頭を過る度に教える相手の未熟さより、自分の未熟さを痛感する。