あ す な ろ ト ー ク 集 |
---|
37.無意識の発言 |
ある日、家族旅行でフェリー乗り場に行く途中のことでした。家を出る時間が遅くなり、フェリーに間に合うようにと祈るような気持ちで車を走らせていたところ、脇道から出てきた車が、わたしの車の前を遅いスピードで走り始めたのでした。その時、隣に座っていた小学生の息子が「モタモタして・・・まったく。もっと速く走れないのかなあ・・・。お父さんが悪いんだよ!あんな車を前に入れるから」と攻撃的な口調で言ったのです。その言葉に我慢できず、「何を言ってるんだ!」と言ったとたん、「もうやめて!」という妻の声がして、私は次の言葉を飲み込んだのでした。 その夜、車中での子どもの言葉を腹に据えかねていたわたしは、妻に「お前のしつけが悪いから、あんなことを言うんだ」と怒鳴ったのでした。すると妻は「あの子の言い方は確かに悪かったわ。でも、いつもあなたが言っているとおりに言っただけじゃないの。車の運転中、前に遅い車がいると、いつも文句を言っているわよ。テレビを見ているときにも、一人でぶつぶつ文句を言っているじゃないの。全然気付いていないの?」と言ったのでした。 わたしは、「えっ?」といったまま、黙り込んでしまいました。これまで無意識のうちに言っていた自分勝手な発言に気が付いたからです。そして、息子が学校などでわたしと同じような発言をしているのではないかと、急に心配になりはじめたのでした。 |
平成21年10月15日 人権同和シリーズ371 知らず知らずのうちに |
【コメント】 私のことを言われているようだ。自分はそんなことはないと思っても、無意識の発言って気付かないだけに怖い。発言だけでなく、自分はきちんとやっているつもりでも、他人から見たらできていない、こういうのって多いな。 |