あ す な ろ ト ー ク 集 |
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36.カーリング型人間 |
ポカポカ陽気に誘われて近くの大分城址公園をブラブラした。お目当てはお堀沿いに並ぶ桜。花は満開も間近。夜桜見物のために敷き詰められたブルーシートの上にはピンクの花びらが舞い落ちていた。日が高いうちから酒宴で盛り上がっているグループもチラホラ。 春を満喫したその足で編集局をのぞいた。どこか雰囲気が違う。「ん?」と思ったが、すぐに合点がいった。こちらも春が訪れていた。なじみの顔が消え、懐かしい顔が戻っている。机の前で不安げな表情を見せているのは配属されたばかりの新入社員だろう。 さて、今春の新入社員。社会経済生産性本部によると、氷の上を石を滑らせて得点を競う「カーリング型」とのことだ。売り手市場の中で就職したことなどが理由だという。そのためか「自立意識が乏しく、周囲の配慮や指導が必要」で、 「一人前に育てるには時間がかかりそうだ」とも。そんな新社会人が理想とする上司トップは男性が古田敦也さん、女性が女優の篠原涼子さんだという調査結果もあった。「一緒に働いて指導してくれるイメージ」「あねご肌で、頼もしい」がその理由だ。そこから浮かび上がってくる姿はまさにカーリング型。だが、現実社会、カーリングのように「背中を押してくれたり」「導いてくれる」人ばかりとは限らない。人ことながら早くも五月病の心配をしてしまった。 |
平成20年4月4日 大分合同新聞 東西南北 |
【コメント】 うーん、カーリング型でも思ったように動いてくれれば、まだ良しだが。指図されてないと動けない人、指図されても動けない人 いるようなあ。 |