




| あ す な ろ ト ー ク 集 |
|---|
| 22.体が資本 |
|
元ロッテオリオンズの投手、村田兆治氏が2002年のマスターズリーグで、ついに140 Kmの快速球を実現。現在は解説や講演の傍ら、少年たちに野球を教える全国行脚の日々。 これまで村田が回った島は40にもなる。どこに行っても、誰に対しても手抜きをしない村 田のピッチングを見ると、子供たちは目を見開き歓声を上げる。「村田と言ったって、親たち は名前を知っていても、子供たちにはただのおじさんですよ。そんなおじさんが野球教室やっ ても、こういうことがあったよ、で終わりだけれど、実際に投げて見せて、それから説明すれ ばちゃんと納得して聞いてくれるんですよ」。ただ偉そうに昔話を自慢し、能書きをたれるだ けのおじさんにはなりたくない。だから肉体を研ぎ澄まし、本物のピッチングを見せることで 、子供たちに野球の持つ楽しさ、素晴らしさを伝えたい。それが野球界で生きてきた村田が、 社会に恩返しをするということなのだ。なぜ53歳になっても140Kmの球を投げられるの か。それは村田が今でも肉体の手入れを怠っていないからだ。50歳を過ぎて150Kmの球 は投げられないが、きちんと体を手入れしていれば140Kmの球は投げられるかもしれない 。何もしなければ110Kmはおろか、肩を痛めて投げることさえできないだろう。 よく体が資本という。しかし、自己啓発や知的なことにカネをかける人は多いが、体に関し て手間暇かけて手入れをする人は少ない。日本人は自分の体にもっと投資してもいいのではな いか。「肉体的に若ければ精神的にも若さを保てるが、その逆はけっしてない」という言葉は 、もっと自分の体に投資することだ。 |
| 平成15年2月24日 日経ビジネス;ひと列伝 |
|
【コメント】 テレビでも放映されていたのを拝見したが、何度も打たせるのはなく、1バッターボックス限りというのも 面白い。真剣勝負は1回限りということだろう。本物を見せて感動させる。それが高い夢に突き進ませる力 を与えるのだろう。感動を与えられるものは何か。本物や真髄を追求する飽くなき努力の心だろう。 |