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あ す な ろ ト ー ク 集
21.勝負運の法則
 谷川浩司さんが「王位」を奪取した。この人、華がある。終盤の鋭さは「光速の寄せ」と呼
ばれる。ファンが待ちわびた「強い谷川」が戻ってきた。どんなに負けが込んだときでも、潔
い態度が魅力的だった。
 大阪商大の谷岡一郎学長との対談集「勝負運の法則」で言っている。「将棋は『負けました
』と頭をさげなければならないゲーム。つらいけどこれをいい加減にすませている人は上に行
けませんね」。本の続き(要旨)。谷川さん「今の世の中は大人でも子どもでも負けを認めな
い人が多い」。谷岡学長「政治家もウソをついて隠そうとする」。谷川さん「政治家だけじゃ
なさそうですね」。谷岡学長「日本経済をダメにしたのも、そういう人たちです」。
 読みながら思った。バブル崩壊に象徴される「経済敗戦」の責任はもちろん、その事実さえ
も、政治家と官僚は株価がここまで下落する事態に至っても、誰一人認めていないのだった。
平成14年9月6日 西日本新聞;春秋
【コメント】
負けという捉え方も正しいが、自分の言ったことや行ったことの「誤りやミス」を認めないという事象の方
が多いようだ。しかもその時はえてして声が大きくなる。負けを認めて初めて次の手が打てる。認めない
から後手になる。この事例多いよね。