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あ す な ろ ト ー ク 集
15.笑いながら叱る
 竹中直人さんのネタで、笑いながら怒る人という芸があります。笑うことと怒ることという
本来同居しないものを同居させているところが面白いのです。
 最近の若者たちは、叱るとヤル気をなくすという言い方が伝説のように信じられているので
すが、これは間違いです。ダメなところはダメといってもらうことが、本人にとっていかにう
れしいか。叱ることがいけないのでななくて、叱り方がいけないのです。叱る時に一番大事な
ポイントは、明るく叱ることです。
 叱っている人、たいてい暗い。暗く叱っている場合は、叱っているのではなくて、ただ怒っ
ているのです。怒るというのは感情的になっているのです。感情的ではなくて、あくまでも冷
静に筋道をたてて「ここはこうしたほうがいいよ」と教え諭すのが叱ることです。笑いながら
叱ることはできいるわけです。
 会社の中で怒る時に、イライラして怒った場合、プラスの効果は生みません。部下はそれを
「そうだな。改めよう」と素直に受け取るか。逆です。部下はますますかたくなに心を閉ざし
てしまいます。明るく叱ることができない時は、決して叱ってはいけないのです。
平成10年5月 NISS∧Y経営情報 No312 新呼吸;中谷 彰宏
【コメント】
この記事はまさしく自分の対人態度を見透かした衝撃的なものであった。自分では分かっているつもりでも
、叱るのではなく怒っているのがほとんどであるということを。この違いが分かれば叱るに遠慮は要らぬ。
NHKのテレビ小説「天うらら」で、ハツコおばあさんも怒ってるのでなく叱ってるのだと言っていた。